白米に塩

日々の雑記。

映画「マジカル・ガール」のぼんやりとした感想

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マジカル・ガール

公式サイトのURLです→ 映画『マジカル・ガール』公式サイト

 

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この予告編、ちょっと見てみてください。ね、嫌な予感しかしないでしょ?

  • あらすじ

 白血病で余命わずかな12歳の少女アリシアは、日本のアニメ「魔法少女ユキコ」の大ファン。彼女の願いはコスチュームを着て踊ること。 娘の最後の願いをかなえるため、父ルイスは失業中にもかかわらず、高額なコスチュームを手に入れることを決意する。 どうしても金策がうまくいかないルイスは、ついに高級宝飾店に強盗に入ろうとする。まさに大きな石で窓を割ろうとした瞬間、 空から降ってきた嘔吐物が彼の肩にかかるー。心に闇を抱える美しき人妻バルバラは、逃げようとするルイスを呼び止め、自宅へと招き入れる。 そして…。バルバラとの“過去”をもつ元教師ダミアンは、バルバラと再会することを恐れている。 アリシア、ルイス、バルバラ、ダミアン―決して出会うはずのなかった彼らの運命は、交錯し予想もしない悲劇的な結末へと加速していく……。

 

  • ぼんやりとした感想

この映画を見たときはほぼ前情報を頭に入れず、TSUTAYAジャケ買いならぬジャケ借りした作品だったので、どんな話なんだろ~!とわくわくしながら見始めたものでした。きっと白血病で余命わずかな娘のために不器用なお父さんががんばるストーリーなんだとばかり思っていましたが、そんなことはなかったよ!

この映画は実は三部構成でして、「世界」「悪魔」「肉」というこれまた嫌な予感しかしないタイトルでストーリーがわかれています。全編通してBGMも少ないのですが、スペイン映画なのに突然流れてくる長山洋子さんの「春はSA・RA・SA・RA」。このBGMと映画の雰囲気もマッチしてないちぐはぐ感がまたこれからこの物語はどうなるんだ!?という気持ちにさせてくれました。

 

この映画は絶対ネタバレとかみないで見たほうが面白いと思うので、ストーリーには深くふれないようにしてるんですけど、やっぱりこれをみて思ったのは

悪いことはしちゃいけませんよ!!!

いや、カワイイ娘の願いをかなえたいお父さんの気持ちはとてもわかるんですが!わかるんですけど!それでもやっぱり!!!ね!!!(ネタバレしてはいけない気持ちとの葛藤)

少女アリシアを演じるルシア・ポジャンちゃんは本当に可愛いしとっても健気なんですよ・・・。そんな娘の願いなんでもかなえたくなっちゃうのがふつうのお父さんの気持ちだと思います。けどその娘の願いをかなえるために必要なものは、大金というのがまた非常に現実的だな、と。父ルイスは元教師で、失業中の身でお金がない。けど娘はいつ亡くなってしまうかもわからないわけじゃないですか。けどお金はないんですよ?じゃあどうしろと!??!?

私はこのどうにもならない、どうにもできないような描写に非常に弱くてですね、ついつい涙を流してしまいました。とてもつらかった。

 

本当この映画のおそろしいところは、私たち映画を見てる人たちの気になるシーンを見せないところなんですよね。とにかく恐ろしいことがあるのは確かなんですけど、そこは余白なんです。見たいけど見たくない、みたいな。

終始淡々と進むストーリーはどこに行きつくんだろう?という不安感がずっとついてきます。正直ん?と思うところはあったのですが、あとからもう一度考えてみると、あれは伏線だったのか!と気づくところもあり、上手いなあ~と思わず感心してしまうシーンも。あと、キャラがとても魅力的だと思いました。登場人物の過去は深くは語られないんですけど、この人たちに過去何があったのか?と興味がわいてきます。そこがまた恐怖をあおってきましたね。

 

魔法少女ユキコは悲劇のはじまり。このキャッチコピーはこの映画を的確に表現しているのでは?私は「おすすめの映画ある?」ときかれてもこの映画を紹介することはないと思います。「見終った後にげっそりするような映画ある?」と聞かれたらこれを紹介するかもしれませんが。ハッピーエンドを望む人は見ないほうがいいと思います。

でもとても面白かったです!何回も繰り返してみたい!とはなかなかなりませんが、体力がある時にもう一度見てみようと思います。興味のある方は是非!

では、夏目リリでした。